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職場でのハラスメントが原因の心療内科症状とその対応について



職場での主に上司からの罵倒であったり理不尽な叱責などのいわゆるハラスメントから、不眠、食欲不振、倦怠感、動悸や呼吸苦などのパニック様の発作、気力減退、不安焦燥感などの症状が顕著、慢性化して特に出勤しようとすると症状が悪化する方々の相談が心療内科では続いています。

出現した症状一つ一つに診療を行うことはもちろんですが、何科のどんな病気であろうと原因について考えないわけにはいきません。

たとえば地震などの天災が原因でPTSDの症状が出現したのならその原因は防ぎようがありませんが、ハラスメントが原因であれば究明、再発防止を職場とともに考えていくことはできるはずです。

ただハラスメントという言葉は一般的になっていても、まだまだ個々の会社、組織がこの問題について積極的に取り組んでいるかというとケースによって大変温度差を感じる現状です。休職されている方の職場と復職について主治医として対応していて、ハラスメントを指導の範疇に収めたい職場側の意識を現在も感じることはしばしばあります。

職場の中にハラスメントの窓口は置いていても本当の意味で機能しているのか疑わしくなる場合もありました。メディアでは権力者によるハラスメントに関するニュースが連日報道されていますが、ハラスメントを社会としてビジネス界全体として無くしていこうという意識が熟成しているとは残念ながらまだ言えないのが日本の現状です。

しかしながらハラスメントが症状出現の原因であるならば、診察室での診療以外にも原因が存在する【職場への提言、やり取り】をご本人と共に、あるいはご本人に代わって行うことも大事な診療であり、心療内科医療の意味でもその一つ一つが微力ながらこの社会のハラスメント行為防止に関する意識向上に繋がっていくと考えております。 精神科専門医 山田 雄弘