うつ病の原因とは?
うつ病の発症には、さまざまな要因が関係しています。
職場や家庭の環境・心理的要因・遺伝・ホルモンバランスの変化・季節の影響 などが絡み合い、個々の状況によって症状の出方も異なります。
環境要因による影響
生活環境の変化や人間関係のストレスが、うつ病の発症リスクを高めることがあります。
職場や学校でのストレス
職場では、以下のような要因がうつ病の引き金になることがあります。
- 異動や転勤などの職場環境の変化
- 上司・同僚・部下との人間関係のトラブル
- 仕事量の過多や、やりがいの喪失
- パワハラ・モラハラによる精神的負担
もちろん、人間関係や環境の変化によるストレスは職場だけでなく、
学校・家庭・友人関係など、どこにでも起こりうるものです。
最近では、SNSを通じたコミュニケーションがストレスの原因になることも増えています。
心理的要因による影響
生まれ持った性格や考え方のクセも、うつ病の発症リスクに影響を与えることがあります。
几帳面・完璧主義な性格
- 責任感が強く、自分を追い込みがち
- 物事を完璧にこなそうとする
- 他人に頼ることが苦手で、すべてを一人で抱え込む
年齢やライフイベントによる心理的変化
性格は年齢や経験によって変化することがあります。
例えば、「細かいことを気にしない」「あまり引きずらない」タイプの人でも、
壮年期以降に体調の変化や病気を経験することで、精神的に不安定になることがあります。
ホルモンバランスの影響
ホルモンの変化によって、うつ病の発症リスクが高まることがあります。
女性のホルモン変化
- 月経前症候群(PMS)による気分の不安定さ
- 妊娠・出産後のホルモン変化と育児ストレス(産後うつ)
- 更年期によるエストロゲンの減少
男性のホルモンバランスの変化
- 中年期における男性ホルモン(テストステロン)の低下
- ストレスや生活習慣によるホルモンの乱れ
季節の変化による影響
「季節性うつ病」とは?
うつ病の中には、特定の季節になると症状が出る「季節性うつ病」があります。
- 冬に日照時間が短くなることで発症しやすい(冬季うつ)
- 春の社会的な変化(卒業・入学・異動など)が影響するケースも
遺伝の影響
うつ病は、家族にうつ病の既往歴がある場合、発症リスクが高くなることが分かっています。
- 親・兄弟にうつ病患者がいる場合、発症リスクが約1.5~3倍になる
- ただし、遺伝だけで発症するわけではなく、環境要因も大きく影響する
まとめ|うつ病の原因は多岐にわたる
うつ病は、環境・心理・ホルモン・遺伝など、さまざまな要因が絡み合って発症します。
「自分は大丈夫」と思っていても、心や体に不調を感じたら、早めに専門医に相談することが大切です。
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院長・山田の取材記事を読む
うつ病の症状や治療について、精神科専門医である院長・山田が取材で詳しく解説しています。
診療の考え方や治療方針を知りたい方は、ぜひご覧ください。